壁に生じるトラブル

現在実際に行われている壁の構法では,残念ながら湿気に対する配慮が全くと言っていいほどなされていない。そのため結果的には多くのトラブルが現実に発生しているのである。

建物の構造別に考えると ,おおむね下記のような傾向がある。いずれの場合でも外周壁にトラブルが多い。間仕切り壁では両側の部屋の温湿度の条件に大きな差がないのでトラブルが少ない。

RC造の場合をみてみましょう。

第一に壁体自体を十分に乾燥させておかないと,壁内に水分を閉じこめた形となり,湿気のトラブルが起こりやすい。工期に追われて壁を仕上げてしまうと ,カビや変色の発生源を閉じこめてしまうことになる。特にせっこうボードのダンゴ張りは,生モルタルの水分がしばしば事故を起こしやすい。このことは内外壁とも同様である。外壁では特に,北側壁が, RC壁だけでは結露を防ぎきれない。十分な断熱性能をとるとか,その内側をさらに木質の仕上げにするのがよい。

木造軸組構法の場合はどうでしょうか。

内側壁は,せっこうボードにビニルクロス張り,外側壁はラスボードにモルタル仕上げにすることが多い。この場合断熱材が十分に使われていれば比較的湿気のトラブルは少ない。しかし,壁と天井,壁と床との間に断熱上のすき間があったり,開口部周りなどに施工上の不備があると,壁体内の結露が起こりやすいので注意を要する。また,室内で発生した湿気の影響を受けないように ,壁構成の選択に配慮、が必要です。

枠組壁構法の場合は、壁と床や壁と天井との接合部にはすき間が生じにくく,ペーパーバリアの施工なども標準化されているので,湿気のトラブルは発生しにくい。しかし一方が外壁になっている場合は,外部の水分が浸入してきても逃げ場がない。これがトラブルの原因になるので注意する必要がある。また枠組材に乾燥の不十分な材を使うと,その水分も壁の内部にこもるので,乾燥した材を使うようにする。